I hope
「もうすぐ新しい年ね」
窓の外に降り積もる雪を見て、アンジェリークはポツリと呟いた。
「そうだな」
隣に寄り添うレインは、そっとアンジェリークの肩に手を置いた。
ほんのりと頬を赤く染めたアンジェリークは、少し上にあるレインの顔を見る。
「ねえ、レイン」
「ん? どうした?」
「あのね…」
恥じらいに少しためらいながらも、アンジェリークははっきりとした声で、
「来年も、こうしてそばにいてくれる?」
そう問い掛けた。
真っ直ぐな彼女の目が、少しだけ緊張に揺らめく。
それが分かったから。
レインはふわりと微笑んだ。
「ああ。もちろん、当たり前だ」
そう言って、彼女を抱き寄せる。
空は静かに雪を舞い落としている。
地上に降り立った雪に照らされた2人の顔。
「…とても、嬉しいわ」
「オレも同じだよ」
幸せに満ちている。
来るべき新しい2人の未来を思って。
2人は互いを誰よりもそばに感じながら、積もりゆく雪をいつまでも見つめていた。